ワイン  

      104 ワインの魂

ある夕暮れ、ワインの魂が瓶のなかで歌っていた。
「人間、君に向けて私は歌う、オーいとしい不遇者、
私のガラスの牢獄、真紅の封蝋のもとで、
光と友愛に満ちた一曲を!

私は知っている、燃える丘の上で、
私の命を生み、私に魂を与えるために、
どれだけの労苦、汗、焼けつく太陽が必要かを。
だが私は恩知らずでも、悪意があるわけでもない、

なぜなら、私が労働で消耗した人間の喉のなかに
落ちるとき、巨大な喜びを感じる、
そしてその熱い胸はやさしい墓穴、
そこは私の冷たい穴倉よりもずっとお気に入りだ。

君は聞こえているか、どきどきする私の胸で、
鳴りひびく日曜の反復句が、ささやく希望が?
テーブルに両肘をつき、両袖をまくり上げ、
君は私を賞賛し、満足するだろう。

私は心を奪われた君の妻の目に火をともす、
君の息子には、力と血色を取りもどさせ、
その弱々しい人生のアスリートのために
闘技者の筋肉を強固にする油になろう。

君のなかに私は落ちるのだ、植物でできたアンブロシア、
貴重な種、それは永遠の「種まく人」によって投げられるが、
私たちの愛から詩が生まれるために。
その詩は神に向かって珍しい花のようにほとばしる!」