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110a レスボス Lesbos


       110a レスボス

母、ラテンの戯れとギリシャの逸楽のだが、
レスボス、そこでは楽しいか悩ましげなキスが
太陽のように熱く、スイカのように冷たく、
輝かしい昼と夜の装飾となる。
母、ラテンの戯れとギリシャの逸楽のだが、

レスボス、そこではキスがまるで滝のようだ、
それは恐れずに底なしの深淵に身を投じ、
すすり泣き不規則に叫びながら流れてゆく。
雷雨めきひそやかで、いっぱいになり深い。
レスボス、そこではキスがまるで滝のようだ!

レスボス、そこではフリュネたちが互いにひかれ合う、
そこでは決してため息が木霊なしには残存しなかった、
パフォスと等しく、星々は君を感嘆する、
そしてウェヌスは正当にもサッフォーを妬むことができる!
レスボス、そこではフリュネたちが互いにひかれ合う、

レスボス、陸地は熱く物憂げな夜々がある、
それらが作るのは、彼女らの鏡における、不毛な快楽!
女の子らが、目は落ちくぼんでいるが、愛撫するのは、
彼女らの恋する体の、熟した年頃の果実。
レスボス、陸地は熱く物憂げな夜々がある、

しわを寄せさせておけ、老プラトンの厳しい目に。
女王、甘美な帝国のだ、愛すべき高貴な陸地、
君は自分の許しを引きずりだす、過度のキスから、
そしてずっと尽きない恋の洗練から、
しわを寄せさせておけ、老プラトン的な男の厳しい目に。

君は自分の許しを永遠の殉教から引きずりだす、
野心的な心に休みなく課されて、
輝く微笑みが私たちから遠くで、なんと引きつけることか、
他の天空の端にぼんやりと垣間見られていて!
君は自分の許しを永遠の殉教から引きずりだす!

神々の誰が、レスボス、君の裁判官にあえてなろうか、
そして作業で青くなった君の額を罰するだろうか、
もし金でできた彼の天秤が、君の川が海へ注いだ
涙の洪水を量らなかったならば?
神々の誰が、レスボス、君の裁判官にあえてなろうか?

正と不正の掟は、私たちに何を要求するのか?
乙女たち、気高い心をもち多島海の誉れ、
君たちの宗教は他のものと同じように尊い、
そしてその愛は「地獄」と「天国」を笑い飛ばす!
正と不正の掟は、私たちに何を要求するのか?

レスボスが地上の全てのなかから私を選んだから、
花と咲く乙女たちの秘密を歌うために、
しかも私が少年時代から入ることを許されたのは
黒い神秘、暗い涙と混ぜられる羽目を外した笑いのだが、
レスボスが地上の全てのなかから私を選んだから。

そしてその時から、私はレフカス島の頂で見張っている、
鋭く確かな目をした歩哨のように、
海原のなかの遠くで形が震える
帆船、小帆船、または軍艦を昼も夜も監視して、
そしてその時から、私はレフカス島の頂で見張っている

知るために、海が寛大で善良かどうかを
そして岩が鳴り響くすすり泣きのなかで
ある晩、許すレスボスの方へ、身投げしたサッフォーの
崇敬される遺骸をもとに戻すかどうかを
知るために、海が寛大で善良かどうかを!

雄々しいサッフォー、恋する女で詩人、のことだが、
ウェヌスよりも美しい、くすんだ青白さで!
━━ 青い目が負けているのは黒い目、暗い隈が
染みつき、描かれたのは苦悩
雄々しいサッフォー、恋する女で詩人、のことだが!

━━ ウェヌスよりも美しい、世界の上にまっすぐ立って、
降り注いでいるのは、澄んで静かな宝物、
そしてブロンドの若さの輝き、
わが娘に見とれる老いたオケアノスの上に、
ウェヌスよりも美しい、世界の上にまっすぐ立って!

━━ 自分の不敬な言葉の日に死んだサッフォーのことだが
その日彼女は、考案された崇敬と儀式を侮辱して、
美しいその体を、至高の餌食にした、
乱暴者の傲慢が罰したのは信心蔑視
自分の不敬な言葉の日に死んだあの女のことだが。

それでその時からなのだ、レスボスが嘆いているのは、
そして、全世界が彼女を回復させる栄誉にもかかわらず、
嵐の叫びに夜ごと酩酊しているのは、
それを天に向けて無人の岸辺が発していて!
それでその時からなのだ、レスボスが嘆いているのは!




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