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65 月の悲しみ  Tristesses de la lune

 
      65 月の悲しみ

今夜、月は夢を見ている、もっとゆるやかに、
まるで美女が、多くのクッションのうえで、
うわの空の軽やかな片手によって、眠りにつく前に、
彼女の両乳房の曲線を愛撫するように。

柔らかな雪崩のサテンの背もたれのうえでは、
死ぬくらい、長い失神に身をゆだねている、
それから白い幻に視線を巡らせる、それは
花々が咲くように青空のなかを昇っている。

時にこの若い乳房のうえで、無益な物憂さから、
彼女が一筋のすばやい涙を落とすとき、
ひとりの敬虔な詩人、眠りの敵は、

彼の手のくぼみのなかに、この淡い涙をつかみ、
虹色に反映したオパールのかけらのようであるが、
それを彼のハートに入れておく、太陽の眼から離れて。



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